実践植物教室レポート2


雪国の木の実・薬草・きのこ@妙高高原

 

2017年9月23(土)~24日(日)第2回 実践植物教室「雪国の木の実・薬草・きのこ@妙高高原」を開講いたしました。

12名の参加者の皆さんと一緒に、秋の妙高高原の珍しい木の実・薬草・きのこについて観察・採取し、楽しみながら様々な有用植物について知識を深めることができました。

Schedule

9/23(土)

11:40 上越妙高駅改札集合

地元で有名な「とん汁の店たちばな」で 昼食

12:50 タクシーにて上越妙高駅へ

駅近くにある「窯蓋遺跡」の見学

13:45 送迎車にて宿泊地へ→14:25休暇村妙高着

14:45~17:00 休暇村周辺にて、有用植物を観察・採取し、利用法等について学びながらフィールドワーク

18:30 夕食は「新潟和牛会席」(ミスジ・ランプ・ロースの食べ比べ、松茸の茶碗蒸など)

20:00 講師と座談会、果実酒・薬酒の試飲など

9/24(日)

6:00 希望者のみ、先生と一緒に休暇村周辺を植物観察しながら朝のお散歩

7:15 朝食

8:30 ロビー集合 →休暇村車にて笹ヶ峰高原へ、有用植物を観察・採取し、利用法について学びながらフィールドワーク

12:00 お昼(お弁当)→植物教室続き→14:00笹ヶ峰出発 途中、道の駅しなのにてお買い物

15:30 休暇村着 →16:00休暇村送迎車にて上越妙高駅へ

途中、日本海の新鮮な旬の魚介類や地元野菜等を扱う「道の駅あらい・日本海鮮魚センター」へ

16:50 上越妙高駅にて解散



Location

新潟県妙高市関山

新潟県妙高市杉野沢笹ヶ峰高原


Report

◆日本百名山 妙高山を望む妙高高原は、妙高戸隠連山国立公園に位置し、四季折々の豊かな自然や、温泉、スキー、トレッキングなどを楽しむことができます。

今回の教室でも思いがけず多様な有用植物を見つけることができました。

 

※妙高高原の有用植物の詳細は【有用植物図鑑】をご覧ください

《2017. 9 果実・薬草・きのこ》

《2017. 5 山菜》

《2016.10  きのこ》


9/23(土)休暇村周辺

◆1日目の休暇村周辺では、きれいな紫色のエゾリンドウ(根は竜胆)を見つけ、観察しました。

そしてこちらは食べられませんがミズナラの葉上に乗った、まるで赤い実のような虫瘤や、春とは様変わりして白い花を沢山つけたオオイタドリ等を観察しました。


◆今回最初に見つけたきのこは、ホコリタケ。白くて丸い姿で、名前によらず風味があって食感も面白く、美味しくいただけます(ゆでて薄皮を剥いてから食します)。

成長したホコリタケの、中央の穴から胞子を飛ばす様子を大海先生から見せていただきました。


◆薄紫の花ヨツバヒヨドリは、フジバカマの仲間で、アサギマダラの食草です。

次に春に美味しくいただくネマガリダケの秋の姿を観察。

赤い茎が特徴的なアカソは若芽を食します。

雌雄異株のヤマブドウの実は、酸味があり野生的な味でした。

そしてキウイの原種サルナシの実!熟れると甘酸っぱくとても美味です~


◆セリ科でトウキ等の仲間、シシウドはこの時期、花や実を付けていました。掘るのが一苦労なのですが、この根茎がとても良い入浴剤になります。身体が良く温まり、冷え性や婦人病にも利用できる優れものです。一度使い始めると手放せなくなるそう・・・

秋のリョウブの葉は、香ばしいナッツの様な香りで、春の若葉は美味しい菜飯になります。


◆美味しい新潟和牛や、新潟の地酒・地ビール、地元のミヤトー野草酵素さんからいただいたレクチェのお酒などを楽しんだ夕食の後は、先生との座談会(飲み会?!)です。

先生ご愛用の本格的なマタギの解体刀マキリや、狩猟刀のナガサを拝見しながらその使い方をうかがったり、参加者皆さん手作りの薬酒・果実酒(女貞子酒、ビワ酒、クロモジ酒、ハリエンジュ酒、黄精酒、十全大補湯酒、ヤマザクラ酒)の試飲会を行ったりしながら楽しく1日目の夜は過ぎていきました。


9/24(土)笹ヶ峰高原

◆2日目の朝は快晴!心地よい秋風を感じながら朝のお散歩です。(お散歩とはいえ、皆さん熱心に先生の話に耳を傾けます)

後半、紫色のよく熟れた大きなアケビや、花盛りのナギナタコウジュを見つけました。とても良い香りに癒されます。こちらは乾燥させてお茶にすることにしました。


◆新潟の郷土料理等、美味しいバイキングの朝食の後は、本日のフィールド笹ヶ峰高原へ。

清々しい秋晴れの中、多様な有用植物、きのこ等を見つける事ができました。


◆笹ヶ峰高原は様々な”きのこ”の宝庫。中には猛毒のシロタマゴテングタケなどの毒きのこもあり、見分けるのが非常に難しい為、大海先生のような専門家と一緒だと安心です。

他にもナラタケカバイロツルタケヤマイグチツルタケオシロイシメジツバフウセンタケヒトヨタケツエタケアシグロタケカラハツニガクリタケ(毒)シロタマゴテングタケ(毒)ホウキタケキシメジツチカブリ・・・・沢山見つけました!

食用きのこの調理法は、先生に聞いてしっかり覚えました。


 

◆植物でもきのこでもない、不思議な菌従属栄養植物のオニノヤガラ(根茎は天麻)や、ユキザサ(根茎が万能薬の鹿薬)も観察できました。

また、赤い実シリーズ(ナナカマドミヤマガマズミオオカメノキツルリンドウ)は薬酒にすると、きれいな色の美味しいお酒になります。


◆そして先生からお土産に、妙高産の神明寺茗荷や、明治以降、野尻湖在住のロシア人が日本で初めて栽培し広めたといわれるルバーブを頂きました。

 

帰宅後、参加者の皆様が作られたお料理や、加工した薬酒等の写真です。

 

アケビの肉詰め、きのこのおろし和え、ルバーブのインド風サラダに、山葡萄ジュース・・・    どれも妙高高原の自然の恵を生かした美味しそうな料理ばかりです。

皆様、ありがとうございました。