実践植物教室レポート6


秋本番!きのこ・木の実・薬草採り教室@斑尾高原

10/13(土)〜14(日)「秋本番!きのこ・木の実・薬草採り教室」@斑尾高原を開講いたしました。

10月中旬の斑尾高原は、穏やかな陽気で過ごしやすく、様々なきのこや木の実・薬草を観察することができました。

Schedule

10/13(土)

11:00 エルムペンション周辺のきのこ・木の実・薬草観察

11:30 オヤマボクチを使った富倉蕎麦の昼食

12:30 斑尾高原(希望湖)周辺にて、きのこ・木の実・薬草の観察・採取、利用法を学ぶフィールドワーク

17:00 温泉まだらおの湯にて入浴

18:30 夕食(とれたてのきのこなどの豚しゃぶ他)

21:00 座談会

 

10/14(日) 

6:00 先生と朝のお散歩(植物観察もかねて)

7:30 朝食

8:45 斑尾高原周辺にて、きのこ・木の実・薬草の観察・採取、利用法を学ぶフィールドワーク

11:30 エルムペンション斑尾にてきのこ料理教室(昼食)

17:00 バスにて飯山駅へ 17:30解散


Location

長野県飯山市斑尾高原


Report

10/13(土)

斑尾高原1日目のお昼は、珍しいオヤマボクチ(キク科ヤマボクチ属の多年草)の乾燥葉の繊維をつなぎに使用した富倉蕎麦です。コシがあってのどごしもよく、大変美味しいお蕎麦でした。

 


いよいよフィールドワークの開始です。まずはじめ、ミズナラの樹上に見つけたのは、今回最もよく採れたムキタケです。ゼラチン質でクセがなく、美味しいきのこで、今回は和え物や汁物にしました。

 

そしてこちらもよく樹上に発生するタヌキノチャブクロ。中の肉質が白いうちに、熱湯で表皮を剝がしてから調理すると、フワフワした食感が楽しめます。

 


山の尾根道に出ると、ヨツバヒヨドリツルリンドウを見つけました。

 

ツルリンドウは、民間薬の青魚胆草で、秋以降の全草を清熱、清肺、止咳、駆虫などに用い、また赤熟した実は果実酒に利用できます。


そして湖へ下る道すがら、薄紫のきれいなムラサキシメジ、ナラタケ、モエギタケ、クリタケ、チャナメツムタケ、ズキンタケ、スギヒラタケ、クリタケ、カヤタケ、ベニナギナタタケ、シロオオハラタケなど…沢山見つけました。

鮮やかな赤色の傘が目立つドクベニタケタケ、チシオハツ、シュイロハツなどのベニタケ類も多く見られましたが、残念ながらこれらは有毒、または苦みや辛味があって食べられません。


静かで風情のある湖の景色に見惚れつつ、ここでもマルバフユイチゴ、マユミ、ニガキ、ノコンギク、ミヤマアキノキリンソウ、マムシグサ、ヨウシュヤマゴボウなどを観察しました。

 

持ち帰ったきのこは、先生に一つ一つ丁寧に鑑定していただき、明日のきのこ料理に備えます。


夕食は高原野菜や豆の前菜、ムカゴご飯、豆乳鍋など…そしてそこに採れたてのナラタケやクリタケを入れたことで、出汁が効いて、とても美味しいスープになりました。

 

座談会では恒例!持ち寄った薬酒の試飲会。

黄精、スギ、クコとドライフルーツ、ヤマブドウ、ハイネズ、ツガサルノコシカケ… どれも熟成期間は1年前後、味もまろやかで美味しく、飲みやすい薬酒になっていました。


10/14(日)

2日目早朝、朝のお散歩では、真赤に熟した甘酸っぱいミヤマガマズミの実や、ナナカマドの実、スズランの赤い実(有毒)、リョウブの花と実、こちらは春に比べてあまり香りはしません。

勢いよく淡紅色の花を沢山付けたミゾソバゲンノショウコショウマの仲間、カンアオイ、ノブドウアレチウリなどが観察できました。

 

そしてカラマツ樹下、芝生の斜面には沢山のシロヌメリイグチ、ハナイグチ!やはり早起きすると良いことがあります。


朝食後のフィールドワークでも、様々なきのこを見つけました。

一番は滅多に出会えない天然のシロキクラゲ!そして栽培種では感じられない、香りのよいナメコ

 

シロキクラゲは薬膳料理でも汎用され、秋の乾燥した肺や肌を潤します。今回はデザートに、アケビの実とクロモジで作ったシロップをかけ、つるんと滑らかな食感で美味しくいただきました。


この日の山にも沢山のムキタケ、キチチタケ、クリタケ、チャナメツムタケ、ヤマイグチ、ハナイグチ、ナラタケ、オニナラタケ、タマゴタケ、キシメジ(毒)…2日目になると私達の目も慣れ、だんだんとキノコ目に… 見つけられる種類も増え、楽しさも倍増です。

 

そして、いよいよきのこ料理開始です。

皆さん手際よく、きのこご飯、きのこ汁、きのこのおろし和え、ホイル焼き、アケビの釜料理(味噌で味付けし、細かくしたきのこ・クルミ・ひき肉を果皮に詰めて、蒸し焼きにしたもの)、シロキクラゲのデザートまで、先生やみんなでアイディアを出し合い、楽しく調理していきました。

ほかにも、大変だったと思います、クロモジの箸は、1本1本丁寧にナイフで削った手作り!とても良い香りがします。


自分の足で野山を歩き、その恵みを採取し、料理していただく秋の味覚。何ものにも代え難い貴重な体験ができた教室となりました。

(斑尾高原の、きのこ・有用植物の詳細はこちらをご覧ください)