実践植物教室レポート5


雪国の山菜採りと山菜料理教室 @裏磐梯高原

5/26(土)〜27(日)「雪国の山菜採りと山菜料理教室」@裏磐梯高原を開講いたしました。

両日とも晴天に恵まれ、心地よい爽やかな風の吹く裏磐梯高原で、雪国ならではの山菜や薬草を観察し、思う存分味わうことができました。

Schedule

5/26(土)

11:20 休暇村周辺の植物観察

11:40 休暇村レストランにて昼食

12:30 広大な裏磐梯高原の休暇村周辺にて、山菜観察・採取、利用法についてフィールドワーク

16:30 宿に戻り自由時間

18:30 夕食(裏磐梯四季のバイキング)

20:00 座談会

 

5/27(日) 

6:00 希望者のみ先生と朝のお散歩(植物観察もかねて)

7:30 朝食

8:45 休暇村周辺にて、山菜観察・採取、利用法についてフィールドワーク

11:30 ハーブスペース「バンディア」内ロッジにて山菜料理教室(昼食)

14:30 休暇村送迎バスにて猪苗代駅へ(15:10着)解散


Location

福島県耶麻郡北塩原村


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5/26(土)

1日目は宿泊地までの道すがら、香り良い満開のハリエンジュを観察しました。花は天ぷらや薬酒にすることで、その香りと甘味を存分に味わえます。

 

宿泊先の休暇村は、まさに裏磐梯高原の中にあり、周辺は植生も豊かで様々な植物に溢れています。昼食までの間、早速観察会を開始しました。

 

短い時間の中でもサワアザミ、サワオグルマ、ハンゴンソウ、ゴマナ、ウド、カラハナソウ、ヤマブドウ(新芽)、タニウツギ(花)、ワラビ…などが観察でき、はじめからその数の多さに圧倒されます。

 


美しい磐梯山を眺めながら昼食をとり、その後は曽原湖方面に向かいました。

 

天ぷらにして美味しいトリアシショウマ、間違いやすい赤い新芽のウルシ、白い花が満開のオオカメノキ、山菜シーズン到来を知らせるタニウツギ薄紅色の花、オノエヤナギの新緑、花茎を伸ばしたサワオグルマの黄色い花…

 

サワオグルマはキク科の多年草で、香りもとても良く、この時期の若葉・若芽・花は食用に、また花は乾燥させてお茶に利用でき、利尿作用があるそう。

 

そして勢いよく伸びた赤いイタドリの若芽は皮を剥ぎ、下茹でした後、冷水でアク抜きしてから調理すると、食感のよい、少し酸味を感じる食材として良いアクセントになります。

 

秋〜冬の根茎は、虎丈根といい、緩下・利尿・通経などに利用できます。

 


ホオノキの大きな若葉は、昔から食べ物をのせたり、餅やご飯を包んだり、朴葉味噌などにも使われてきました。

 

夏の土用の樹皮を乾燥させたものは、厚朴といい、漢方処方に配合され、健胃、収斂、利尿などに用いられます。

 

精油やアルカロイド類などを含み、香りも大変良いものです。 この翌日には、白くて大きな花蕾も観られました。

 

他にもシシウド、ナナカマド(花)、ウバユリ、ハリギリ、クワ(花)などを観察しました。

 

ハーブガーデンのあるバンディアさんロッヂ周辺ではカツラ、ミズ、ヤマウコギ、バイケイソウ、クロモジ(花)、フキ(綿毛)、ミヤマキケマン、ホソバオケラ、ニリンソウ…などが観察できました。

 


夕食は裏磐梯季節の料理、イワナの骨酒や地酒などを満喫しました。

 

そして夕食後の座談会では恒例!皆さんが持ち寄った薬酒の試飲会です。

 

先生に作っていただいた美味しいミヤマイラクサワラビのしょうゆ漬け・おひたしをおつまみに、ナナカマド酒、ビワ酒、ウワミズザクラ酒、タラノキ酒、コフキサルノコシカケ酒、コケモモ酒… バリエーション豊かな薬酒が揃い、それぞれの味・香り・色を楽しみながら、薬効についても知識を深めることができました。

 


5/27(日)

2日目も気持ちの良い晴天。

午前中に観察できたのは、マツオウジ(きのこ)やウワミズザクラ、ヤチヤナギ、ヒョウタンボク(毒)…今花盛りのアケビ・ズミ・ユキザサ・トリアシショウマ・トチノキ・ミツガシワ ・コンロンソウ・ベニバナイチヤクソウ

 

ベニバナイチヤクソウは、花期の全草を乾燥させ、お茶や薬酒にする事で、利尿や脚気などに利用できます。

 


そしていよいよバンディアさんのロッヂをお借りしての山菜料理教室です。

 

先生より、様々な山菜のあく抜き方法や下処理の仕方を学びながら、山菜汁、菜めし、天ぷら、和え物… 20種近くの山菜を使い、それぞれの個性に合った調理法で料理していきます。

完成した山菜料理の数々は、香りや風味が生きており、本当に美味しく頂くことができました。

 

今回の教室は、自然の恵みに感謝しつつ、余す事なく調理していくという、貴重な経験ができたひとときでした。