実践植物教室レポート3


「晩秋の海辺の有用植物@三浦半島」2017.11.11

2017年11月11日(土)第3回目の実践植物教室「晩秋の海辺の有用植物@三浦半島」を開講いたしました。

前夜の強風と雨が嘘のように爽やかな晴天の中、6月とはまた違った様々な海辺の有用植物を観察・採取することができました。

【Schedule】

11/11(土)

10:00 京浜急行「三浦海岸駅」集合 →バスにて剱崎へ

10:30~三浦岩礁の道を歩きながら、海岸の有用植物を観察・採取(12:00頃海岸にてお昼)昼食後フィールドワークつづき

16:00頃 剱崎バス停より三浦海岸駅へ 解散


【Location】

三浦岩礁の道

神奈川県三浦市剣崎


【Report】

■6月の実践植物教室で歩いた三浦岩礁の道を、今回は晩秋の11月に歩き、どのように植生が変化しているか観察することができました。

 

三浦岩礁の道は三浦半島先端の海沿いを歩くコースで、浦賀水道や房総半島を望む植生の豊かなエリアです。

 

前回には見られなかった、真っ赤に熟したクコの実や、橙色のマルバアキグミの実、台風で露わになったハマカンゾウ・スカシユリ・クコの根等、様々な有用植物が見られました。

 


■バス停から剱崎の海岸へ下る道沿いにも、様々な植物がみられます。

正月用に栽培されている青々とした三浦大根の畑をぬけ、気を付けていないと見過ごしてしまいそうな草むらの中から見つけたのはノビルです。

ラッキョウより野性的な味で色々な料理に使えます。


■そして今回待望!の真っ赤でふっくらとしたクコの実は完熟してほんのり甘く、みずみずしい味でしたが、乾燥させるともっと甘味や薬効が増します。この後も色々な場所で、沢山赤い実をつけている様子が観察できました。

 

ベニバナボロギクは名前に似合わず春菊のようでアクもなく、とても美味しいものです。ぜひ先の柔らかい所をお浸しなどで試してみてください。

 


アシタバは沢山種をつけており、潰すとセリ科特有の爽やかな香りがします。

ツワブキは茎が詰まっていてアクも少なく、煮物などにすると味もよく染み込んで美味しくいただけます。


■黄色の可愛い花が満開のイソギクの花は、甘い香りを漂わせ、葉をちぎると爽やかな春菊やハーブのような香りがします。

採取する際はつぼみのものを、それを乾燥させてお茶や浴湯料として利用できます。


■そして海岸沿いをしばらく歩き、6月にクコの根(地骨皮)を採取した場所で見たのは、台風で激しく波に抉られ根元まで露わになったクコの姿でした。

群生地だけあり、太く長い無数の根が、砂地に深くしっかりと生えている姿は生命力の強さを感じます。

ここでは葉の様子からクコと確かに分かるものを採取し、利用することにしました。


■先日の台風の影響はそこかしこに見られましたが、思いがけず普段は掘ってみないと分からない、スカシユリハマカンゾウの根まで詳細に観察することができました。

ハマカンゾウは強風や波で洗われたにもかかわらず萌黄色の新芽を出しており、長命草(ボタンボウフウ)やアシタバは1年中若芽を利用できることがわかりました。


■この他にもカラスウリや、マルバアキグミの橙色の実、シャリンバイの黒く熟した実、中空のアシの根など薬用にも利用できる様々な有用植物を観察することができました。