妙高高原(木の実・薬草・きのこ)2017.9.23~24


【 木の実・薬草他 】


エゾリンドウ

リンドウ科リンドウ属

山地~亜高山帯の湿地に生える多年草。9~10月に青紫の鐘形の花をつける。根・根茎は竜胆で、清熱燥湿として食欲不振、消化不良、胃酸過多、腹痛、喉の腫れ等に利用

 

ミズナラ(虫瘤)

ブナ科コナラ属 (落葉広葉樹)

この赤い虫こぶは5~6mmで、タマバチの一種が葉脈の一部を変形させたもの。中にはタマバチの幼虫がいる

 

シオデ(実)

ユリ科シオデ属

4~6月の若芽はアスパラガスのようで美味。7~8月に葉のわきから7~12cmの花茎を伸ばし、小さな花を球状につけ、秋に実が黒く熟す

 

ミヤマハンノキ(球果)

カバノキ科ハンノキ属

(落葉低木~高木)雌雄同株で、こちらは雌の球果

 

オオイタドリ(花)

タデ科タデ属

山地の日当たりのよい湿った場所に生える多年草。春に若芽と若茎を食す。7~9月に葉のわきから白色の穂状の花をたくさんつける

 

ヨツバヒヨドリ

キク科フジバカマ属

山地~亜高山帯の日当たりの良い場所に生える多年草。8~10月に白~淡紅紫色の花を多くつける。アサギマダラの食草。園芸に用いて観賞するほか、花期の全草を陰干しし、発汗・解熱・糖尿病などに煎じて用いる

 


チシマザサ

イネ科ササ属

ブナ・ミズナラ帯の林床に生える常緑のササ。若芽をネマガリダケと言い、5~6月に食す

 

アカソ

イラクサ科ヤブマオ属

日本海側の山地に多く、若芽を食す

 

ヤマブドウ

ブドウ科ブドウ属

山地の林に生えるつる性落葉木。5~6月に若葉・若芽を食す。9~10月に液果が黒く熟す。ジュース、ジャム、ゼリー等に

 

シシウド(花)

セリ科シシウド属

8月頃から花火のような白い大型の花をつける。花~種は、天ぷら等にしても風味があり美味。また熟果は薬酒にも利用でき、新陳代謝促進、疲労回復、解熱、冷え性、安眠に利用できる

 

シシウド(根茎)

セリ科シシウド属

アクが強い為食用にしないが、秋に根茎を掘って縦割りにし、陰干したものを生薬の独活として鎮痛、鎮静、血管拡張作用、リウマチ、神経痛、冷え性等に利用(袪風化湿、温・瀉・燥、辛・苦)また入浴剤として冷え性や婦人病に効果がある

 

サルナシ

マタタビ科マタタビ属(落葉つる性木本)

雌雄異株で、5~7月に梅に似た白い五弁花をつけた後、楕円形の液果をつけ、9~11月に緑色に熟す。V.Cやミネラル、ペクチンを含み、生食の他、ジャムや果実酒等に利用。近縁のマタタビの虫こぶを蒸して乾燥させたものを木天蓼(もくてんりょう)といい、冷え性、神経痛、リウマチ、強心等に利用

 


タラ(花)

ウコギ科タラノキ属(落葉低木)

4~5月の若芽を食す。花期は8~9月。実や樹皮を新陳代謝促進、健胃整腸、強壮強精、胃潰瘍、糖尿病、体質改善に利用するほか、根皮はタラ根皮として刻んで日干しし、健胃、整腸、強壮、胃がん、糖尿病等に利用

 

ウリハダカエデ

カエデ科カエデ属(落葉小木~高木)

樹皮の模様がマクワウリに似ている為、このような名前が付いた。材は白い為、箸や経木等に利用され、樹皮も縄等に利用されていた

 

ミヤマアキノキリンソウ

キク科アキノキリンソウ属

亜高山~高山の日当たりよい乾いた草地に生える多年草。8~9月に黄金色の花をつける。園芸・観賞のみ

 

ノコンギク

キク科シオン属

山地の湿気のある草地に生える。8~11月に淡青紫の花を多くつける。浴用に花を摘みそのまま浮かべたり、葉の煎じ液を加えて用いる。精油成分を含み、疲労回復、風邪予防、美容等に

 

ノブドウ

ブドウ科ノブドウ属 (落葉つる性木本)

エビヅルに似るがノブドウは葉の裏に綿毛がない。7~8月に淡緑の花をつけ、9~10月に実が熟す。薬酒は外用として関節痛や捻挫、打ち身など患部にすり込み痛みをとる

 

オヤマボクチ

キク科ヤマボクチ属

葉はゴボウに似ており、花はアザミに近い。根はヤマゴボウと同じように醤油や味噌漬けにし、乾燥させた葉の繊維は蕎麦のつなぎに利用する

 


オオバギボウシ

ユリ科ギボウシ属

日当たりよい湿った場所に生える多年草。ウルイとも呼ばれる。5~6月に若葉・若茎・若芽を食す。アクも少なく美味

 

リョウブ

リョウブ科リョウブ属 

樹皮はサルスベリに似ている。4~6月の若芽を塩ひとつまみ加えた熱湯でゆで、長めに冷水にさらす。おひたし、和え物、菜飯などに。この時期の葉は、春の果実の様な香りではなく、ナッツのような香りに変化していた

 

ヤブカンゾウ

ユリ科ワスレグサ属

日当たり良い草地などに生える多年草。3~4月に若芽を食す他、7~9月は花の蕾を金針菜として食す。甘酢和等にするときれいなオレンジ色になり、風味もよく美味

 

ヨモギ(花)

キク科ヨモギ属

平地~山地の日当たり良い草地などに生える多年草。2~6月の若葉・若茎を食す。9~10月に淡緑の小花を密につける。葉は春の爽やかな香りから少し濃厚な香りへと変化していた

 

ツクバネソウ(実)

ユリ科ツクバネソウ属

葉4枚からなり、葉柄はない。5~8月に淡黄緑の花をつけ、秋に黒紫の液果をつける。名前の由来は羽子板の羽根の玉に似ている為

 

ミヤマガマズミ(実)

レンブクソウ科ガマズミ属 (落葉低木)

ガマズミとの違いは、全体に毛が少ない、葉脈が端正、花が大きい。4~6月に白い5弁花をつけ、その後5~7mmの球形・卵型の実をつけ、8~10月に赤く熟す。熟果をジャムや果実酒に。新陳代謝促進、疲労回復、健胃整腸、安眠、美容等

 


オオカメノキ(実)

スイカズラ科ガマズミ属 

樹高2~4m、葉が亀の甲羅の形に似ている。正式和名はムシカリ。4~6月に白い花を咲かせ、実は夏~秋に赤~黒に熟す。果実酒にし、新陳代謝促進、健胃整腸、強壮、風邪、補血、鎮静、美容等に利用

 

サラシナショウマ

キンポウゲ科サラシナショウマ属

丘陵~山地の草地・林床に生える多年草。若葉・若茎を食する。8~10月にブラシ状に白い小さな花を多くつける。陰干しした根は生薬の升麻で、発汗、解熱、解毒等に利用。単味で多量に利用すると嘔吐やめまい等の副作用がある為注意が必要

 

ナギナタコウジュ

シソ科ナギナタコウジュ属

日当たり良い山地に生える1年草。9~10月に薄紫の唇形花を片側だけに付ける様子が薙刀に似ている。精油成分を含み、強い芳香がある。生薬名は香薷(こうじゅ)と言い、解熱、発汗、利尿、風邪、全身浮腫、腹痛などに利用

 

センキュウの仲間

セリ科ハマゼリ属

香りはボタンボウフウのようだが、それ程強くなく、少しやわらかい甘い香りがする。根は川芎で、秋~冬に採取し洗って輪切りにしたものを乾燥させ、瘀血、鎮静、鎮痛、補血、強壮などに利用。また浴湯料として新陳代謝促進、疲労回復、精神安定、冷え性などに利用できる

 

トチバニンジン(竹節人参)

ウコギ科トチバニンジン属

6~8月に淡黄緑色の小さな5弁花を多く付け、その後球形の石果を結び、9~11月に紅熟する。葉がトチノキに似ている。根茎に節があるため、チクセツニンジンとも呼ばれる。春~秋に根を採取し、洗って4~5日天日干ししたものを薬酒にし、健胃整腸、風邪の諸症状、安眠などに利用。漢方では根茎を湯通後乾燥させたものを竹節人参といい、健胃、去痰、解熱に利用(補気、温・補・潤、甘)

 

ツリガネニンジン

キキョウ科ツリガネニンジン属

8~10月に釣鐘のような青紫の花をつける。茎や根を傷つけると白い乳液を分泌する。春の新芽を山菜として重用(トトキ・ヌノバ)根は沙参といい、サポニン・イヌリンを含む。咳止め、去痰、健胃整腸、強壮などに利用

 


マルバフユイチゴ

バラ科キイチゴ属

5~7月に白い5弁花をつけ、その後8~9月に紅色の果実をつける。葉や柄には白毛が密生する。果実は生食の他、ジャムや果実酒にできる。ほんのり甘酸っぱく美味。

新陳代謝促進、疲労回復、強壮、冷え性、補血、精神安定、美容などに利用

 

ドイツトウヒ(球果)

マツ科トウヒ属

(常緑針葉高木)

欧州原産。浴湯料や薬酒に利用できる。テレピン油を含み、外用ではリウマチ、ギックリ腰、関節痛などに。ドイツでは「トウヒ蜜」といい、ドイツトウヒの若葉・タンポポの花・砂糖を煮詰めたものを、咳止め等に利用。また浴湯料として血行促進、咳止めなどに効果がある

 

ハリモミ

マツ科トウヒ属(常緑針葉高木)

日本特産種。葉は先端が鋭く尖る。枝を葉ごと煎じたものを浴湯料として利用。精油成分で気分が安らぎ、神経痛、リウマチにも利用できる

 


【 きのこ 】(ブナ・ミズナラ帯)


ホコリタケ

ホコリタケ科ホコリタケ属(コナラ・クヌギ)落葉分解菌 4~11月 中が白いうちは食用できる。老菌になると全体的に茶色になり、頭頂の穴から胞子を噴出する。熱湯にくぐらせ表皮を剥いで調理。香り・旨味があり美味

ホテイシメジ

キシメジ科カヤタケ属(カラマツ・マツ、広葉樹)8~10月 落葉分解菌:散生~群生  傘は漏斗型、黄灰色~灰褐色、根元は膨らんで太くなる。クセなくほとんどの料理に合う。アルコール分解成分を阻害する為、酒と併用すると悪酔いするので注意

ヤマイグチ

イグチ科ヤマイグチ属(シラカバ)菌根菌

傘は灰褐色~黄褐色、湿ると弱い粘性がある。クセない風味で歯切れよいが傷みが早い。キンチャヤマイグチと似ている

ツルタケ

テングタケ科テングタケ属(コナラ・クヌギ・ミズナラ・ブナ・シイ・マツ)菌根菌単生~散生 傘は5~8cm、卵型から平に開く。柄にツバはなく、根元には膜質のツボがある。柄は白色。傘・柄とももろく形がくずれやすい。カバイロツルタケと良く似ているが色が違う

オシロイシメジ

キシメジ科キシメジ属(ブナ・ミズナラ・コナラ・マツ・スギ)落葉分解菌 9~10月または春にも発生。おしろいを塗ったような白色で、古くなると灰色に近くなる。匂いも少しおしろいに似ている

ドクベニタケ(毒)

ベニタケ科ベニタケ属(ブナ・ミズナラ)菌根菌  7~10月 傘表面は鮮紅色、湿ると粘性があり、雨で色が褪せやすい。表皮ははがれやすく、その下も赤みがある。強い苦味があり、毒きのこに分類される


ナラタケ

キシメジ科ナラタケ属(ブナ・ミズナラ)木材腐朽菌 3~10月 傘中央部に暗褐色の微細な鱗片があり、周縁は放射状の条線がある。柄の上部に膜質のツバがある。ほのかに甘い香りがあり、良い出汁が出て歯切れもよい

ツバフウセンタケ

フウセンタケ科フウセンタケ属(カバノキ科樹木)9~10月 菌根菌:散生~群生 傘は5~10㎝、まんじゅう形から扁平。赤褐色~茶褐色で中央が暗色。やや土臭い為、油で炒めるか、濃い味の調味料で煮込むのがよい

ヒトヨタケ

ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属(スギ・果樹・草地)落ち葉分解菌:束生~群生 4~11月 ヒダが白色の幼菌時は食用になるが、アルコール分解阻止成分を含むため、アルコールと併食すると中毒をおこすため注意が必要

ツエタケ

キシメジ科ツエタケ属(シイ・ブナ、マツ・スギ)木材腐朽菌  7~11月 傘表面は淡褐色~灰褐色、放射状ないし網目状の不規則なシワがあり、湿ると粘性がある。柄は根元が太くなり、その先が細くなって地中深く伸びる。傘と柄の食感が違う為、別々に調理する

アシグロタケ

タコウキン科オツネンタケモドキ属(ブナ・ミズナラ)木材腐朽菌 7~10月革質で食用にならないが、乾燥させてから利用すると良い出汁がとれる

ニガクリタケ(毒)

モエギタケ科クリタケ属(コナラ・クヌギ)木材腐朽菌 通年 毒成分ファシキュロール、食後数時間で激しい嘔吐、下痢、死亡例も。柄にささくれがある


ホウキタケの仲間

ホウキタケ科ホウキタケ属(アカマツ・コメツガ・シラビソ・コナラ・クリ) 8~10月 菌根菌:散生~群生 フェアリーリングをつくる。高さ10~20cm、径15~20cm内外の大型。枝分かれした尖端は淡紅色~淡紫紅色。成長後黄土色に変化。歯切れよく、ホンシメジに劣らぬ風味。ほとんどの料理に合う。さっと湯通ししても美味

シロタマゴテングタケ(毒)

テングタケ科テングタケ属(ブナ・ミズナラ) 菌根菌 7~11月 毒成分ファロトキシン類、アマトキシン類、食後半日~1日後に強烈な腹痛、死に至る

キシメジ

キシメジ科キシメジ属(アカマツ・クロマツ)菌根菌: 散生~群生  9〜10月
傘表面は淡黄色で、中央には褐色の小鱗片が密生し、湿ると粘性がある。日本での中毒例はないが、フランスでは毒きのことされている

ツガサルノコシカケ(薬用)

タコウキン科ツガサルノコシカケ属

マツ・ツガ・モミ・トウヒなどの倒木、枯れ木、生木の腐朽部に発生。多糖類を多量に含む。表面の同心円状の環紋で成長年数がわかる。写真は3年もの。鉈や中華包丁などで細かく砕き、よく天日干して乾燥後、煎じて利用。制ガン、新陳代謝促進、強壮、疲労、病後回復、健胃整腸、高血圧症、肝炎、痔疾、腺病体質改善などに。コフキサルノコシカケより苦味が弱く、きのこ特有の旨味がある。


【 菌従属栄養植物 】

オニノヤガラ(薬用)

ラン科オニノヤガラ属(コナラ・クヌギ等)葉緑体を持たずナラタケ菌と共生する菌従属栄養植物。精油成分のバニリン、バニルアルコールを含むため茎を折るとほんのり良い芳香がする。多量の粘液質も含む。花期は6~7月、茎上部の総状花序に帯黄褐色の花がつく。若芽を乾燥させたものは赤箭(しゃくぜん)、赤天箭(しゃくてんぜん)と言い滋養強壮に用いる。全長は60~100cmで、開花期にジャガイモのような形の塊茎を掘り、輪切りにして天日干ししたものを生薬の天麻という。鎮痙、鎮痛作用があり、頭痛・めまい・精神不安等に利用(バニルアルコールは胆汁分泌促進作用がある)