2018年3月31日(土)「春の山菜摘みと 野遊びクッキング@三浦半島」を開講いたしました。
今回は「蓬莱仙人の植物学校」初の試み、大海先生の得意分野でもある野外料理と植物観察を一度に行う、盛り沢山で楽しい教室となりました。
当日は気持ちの良い晴天、絶好の野遊びクッキング日和です。
まずは海岸までの道すがら、満開のニワトコの花、クワの花を観察しました。どちらも薬効が高く、薬酒にしたり、食用にしたりできます。
ニワトコの花は生薬の接骨木花で、発汗・解熱・むくみなどに、クワは、根・葉・枝・果実が生薬として利用でき、血圧降下、利尿、強壮などに利用できます。
広いキャベツ畑の奥に太平洋を望みながら、カラスノエンドウ、ギシギシ、スイカズラ、アシタバ、イソギク、シロバナタンポポ、ボタンボウフウ、ハマダイコンを観察しました。
イソギクは秋に比べ、春は香りが穏やかになっていました。
次に見つけたのは、白い産毛のやわらかそうなハハコグサ。春の七草「ゴギョウ」で、昔から七草粥や草餅に利用され、別名モチグサとも呼ばれています。こちらは帰宅後お餅にしましたが、ほんのりと香りが残り、美味しい草もちができあがりました。ハハコグサは生薬の鼠麹草で、鎮咳作用もあります。
そして次にツリガネニンジンの若葉。トトキとも呼ばれ、甘味があり、春の美味しい山菜として親しまれています。秋期の根茎は生薬の沙参で、去痰・鎮咳に利用できます。
ヘラオオバコは、オオバコに比べ葉が細く長く、全体的に大きいのですが、こちらも去痰(根茎)・利尿(葉)・切傷(生葉)に利用できます。
クコの勢い良い若葉や、可愛らしい花が満開のハマダイコンの群生地に立ち寄りながら、アカメガシワ、サルトリイバラを観察後、やっと海岸までたどり着きました。
海岸は風もなく海も穏やかです。 早速、皆さんで手分けして調理用のアシタバの若葉、ハマカンゾウ、貝類などを採取し、焚き火用の流木を集めました。
先生が長年培った熟練の技で焚き火を起こす間、空き缶に洗い米・水・調味缶を入れ、ホイルとタコ糸で蓋をしたものを熾火に置き、カンカン飯を作ります。調理のタイミングは、缶から伝わる沸騰した水の振動で分かり、振動が無くなった時点で逆さにして蒸らします。
そして水を沸かし山菜類を茹で、和えもの、炒め物、味噌汁を作りながら、同時に天ぷらを揚げていきました。
揚げたてのアシタバやハマカンゾウの天ぷらはとても美味しく、ハマカンゾウの酢味噌和え、アシタバやハマダイコンのお浸し、ベーコン炒めはアクも感じられず、こちらも美味しくいただくことができました。
味噌汁はヤドカリやキサゴからの出汁が良く効いており、カンカン飯も絶妙な火加減で炊けていて味もちょうど良く、作り方を覚えておけば災害時などにも応用できる技だと思いました。
帰りには、地元の方から皆さんへ、大きな三浦大根とキャベツをいただき、うれしいお土産を沢山背負いながら、帰宅の途につきました。